初期費用って安くできないの? 交渉や分割払いは可能?

とはいえ、貯金もあまりないけど、今すぐ引越したい、そんな方もいることでしょう。初期費用を安くする良い方法はないのでしょうか。

●「フリーレント」などで初期費用そのものを安くする
まずは、不動産会社の担当者に相談するのがいちばんです。

「物件をたくさん見てから、実は手持ちのお金がなくて契約できなかったというのは悲しくなるもの。初期費用を抑えたいのであれば、『貯金があまりないので10万円以内に抑えたい』『8万円以内に抑えたい』などとはじめに担当者に話し、礼金や仲介手数料ナシ・フリーレント、前家賃ナシ物件などを紹介してもらうといいでしょう」

注意したいのが、前家賃ナシの「フリーレント」のケースです。フリーレントといっても、適用条件はさまざまあり、「契約の翌月分はフリーレントで住めるが、初期費用として翌々月分の前家賃を支払う」「日割り家賃分だけフリーレント」というケースもあるそう。そうなると、借りている間のトータルコストはお得になっても、初期費用は抑えられません。どの期間分がフリーレントになるのか、前家賃は契約時に支払う必要があるのかを確認しておきましょう。

ただ、初期費用を抑えている物件では、「契約1年未満で引越した場合は、違約金を請求する」といった違約金設定をしているケースや、家賃が相場よりやや高めということも。初期費用を抑えた敷金0礼金0のお部屋に住む場合は、「次の更新まではぜったいに住む予定」という場合のみで契約するのがよいのかもしれません。

●大家さんに交渉する
次に考えられるのが、貸主である大家さんへの交渉です。初期費用を抑える交渉術というのはあるのでしょうか。

「以前のような敷金2カ月・礼金2カ月のときは、比較的交渉もしやすかったのですが、今は借り手がインターネットで相場観などを把握しやすく、大家さんも高めの設定をせず、相場に合わせた金額の設定をしているので、交渉は難しくなってきている印象です。もし、交渉をするのであれば、必ずこの物件に住むと伝えたうえで、(1)入居日までの日割り家賃やフリーレント、(2)礼金、(3)家賃のどれか1つ、を条件に出してみてください」

交渉しやすい時期は、引越しを検討する人が少ない夏だそう。

ただ、家賃がいきなり1万円安くなるということはほとんどなく、交渉が成立しても3000~5000円程度なのだとか。

●分割払いにする
貯蓄があっても、すべてを初期費用で支払ってしまい、現金の手持ちがなくなってしまうのはちょっと不安という人も多いはず。そんなとき、「分割」して支払うことは可能なのでしょうか。

「実は、初期費用を抑えたいという人にオススメなのが、この分割です。一部もしくは全額をクレジットカードで、分割払いにすることができます。上手に使えばポイントやマイレージもたまりますし、手元に現金を残しておくことができます。ただ、カード払いができない不動産会社もあるので、そこは注意してください」

●家具・家電付き物件にして諸費用を抑える
最後に、家具・家電付き物件。必要最低限の引越しで済むため、初期費用を抑える点では、メリットがありそうですが……。
 「単身赴任や時期が決まっている出張など、数週間~半年くらいの短期滞在であれば、お得かもしれないですが、長く住むつもりの人にはあまりオススメしません。およそ月1万円程度、家賃が割高になっていることが多いようですし、家具家電を選べないので、長く暮らすのであればストレスになるのではないかなと思います」

新しい生活をはじめるのに欠かせない、「初期費用」。以上の情報&テクニックを踏まえて、賢く抑え、新生活を満喫して下さい。