名義貸しの禁止
宅地建物取引業者が他人に名義を貸して営業(または表示行為・広告行為)を行なわせること
は、法律上禁止されている(宅地建物取引業法第13条)。これを名義貸しの禁止という。
具体的には次のとおり。
1.名義貸しによる営業の禁止
名義を貸して他人に営業させることは、宅地建物取引業法の免許制度の根本をゆるがす
重大な違反行為である。
そのため、名義を貸した側には「名義貸しの禁止」の規定が適用され(法第13条第1項)
、3年以下の懲役または100万円以下の罰金(または両者の併科)という重い罰則が予定さ
れている(法第79条第3号)。
2.名義貸しによる表示行為・広告行為の禁止
名義貸しによる営業については上記1)の罰則が適用されるが、実際に営業を行なわない
場合(または営業が事後的に立証できない場合)であっても、看板における名義の使用
(表示行為)や広告における名義の使用(広告行為)という事実があれば、そうした名義
貸しによる表示行為・広告行為があったこと自体が宅地建物取引業法上の処罰対象にな
る。
具体的には、名義を貸して表示行為・広告行為を行なわせた側には、「名義貸しの禁止」
の規定が適用され(法第13条第2項)、30万円以下の罰金が予定されている
(法第82条第2号)。
ちなみに、名義を借りた側に対する処罰については下記のとおり。
名義を借りて営業を行なった者が「無免許営業等の禁止」(法第12条第1項)に該当する
場合には、3年以下の懲役または100万円以下の罰金(または両者の併科)という重い罰則
が適用される(法第79条第2号)。
また、名義を借りて表示行為・広告行為を行なった者が「無免許営業等の禁止」
(法第12条第2項)に該当する場合には、30万円以下の罰金が予定されている
(法第82条第2号)。